2018年7月20日
目次
インターネットを利用して動画の授業を受けらるサービスと完全個別指導を混同させる案内を見ました。
本来、学習内容を教えるだけなら学校の授業で充分です。
そのはずです、本当は…。
しかし昨今、その学校の授業の状態が予想以上に酷い。
そこで、学校の授業のやり直しや学習の遅れが心配な場合に、個別指導やマンツーマン指導でということになるのです。
しかし、それでは回数が増すので高く付くと思われる。
当然です。
学校の授業のやり直しだけなら一斉授業で充分です。
ネットの動画指導も基本的に一斉授業ですから、それで充分です。
そして、その利点は、学校でなくても学習できる、塾にいなくても学習できるということです。
自習の勧めとして用いるのは有効であると思います。
しかし、完全個別指導の代わりになるというのはいささか誇張が過ぎると思います。

確かに、昨今のインターネットの普及により、動画の授業が受けやすくなりました。
基本的には集団授業スタイルなので、一般の学習塾に比べて料金が割安である事は魅力の一つですし…。
既存の通塾スタイルの学習支援に比べた時、その強みは、家に居ながらまたはインターネットの環境があるところでなら、いつでも授業を受けられること。
オンデマンドであることから、何度でも同じ動画を見られる、つまりその授業をわかるまで受けられます。
再生を倍速再生できるようになれば更に強みを生かせる授業スタイルです。
ところで、それは、通信教材を使って学習支援するものと基本的に同じです。
しかし、ネット授業の方は、自分でテキストを読んで理解しなくて良い気楽さがあるかと思います。
話を戻して…、
画面の向う側の先生は、とても良い授業をしてくれていますから、学校の授業の受け直しには得策だと思います。
実は当塾でも動画授業を一部そのように利用しています。
「自習」の助けにはなります。
しかし、1対1の対面授業スタイルとは本質的に違います。
それを同じものだと勘違いさせているとすれば、生徒に適切な学習アドバイスができていないことになります。
生徒の方で1対1の指導を経験したことのない生徒は「こんなものか」と思うでしょう。
1対1の授業を経験したことがあるにも関わらず、ネットの授業で1対1の指導が受けられたと勘違いしたとしたら、1対1指導の経験をした時の塾及び講師に問題が有ったと思います。
1対1の指導をしっかりしたことのある方はもちろん、1対1の指導をしっかり受けた経験のある方には、その違いは明白にわかると思います。
1対1の対面授業スタイルの強みは、、完全オーダーメイドの指導です。
例えば、オンラインの塾の先生は、生徒が解らないでいる様子に気がついていますか?
解らないなら質問すればいいと言いますが、何をどう質問して良いのか解らないでいることに気がついてくれていますか?
または、質問したことが質問したかったことと違う事に戸惑っている事に気がついてくれてますか?
学校の先生だって、授業中に生徒のそういう様子に気がついてはいます。
1人の生徒だけでなく他の人の様子にも気がついていますから、それに配慮して指導してくれているのです。
たまたま、それが自分と同じ疑問点であれば、一緒に解決しますが、そうでなければ取り残されるわけです。
さらに、生徒が気がつかなければならないところに気がつけていないことに、先生は気がついて指導してくれますか?
画面の向う側の先生の授業は、要点がまとまっていて内容が分かり易いよどみのない授業です。
しかし、自習をして理解を確かめて、深めて行かないと忘れてしまいます。
忘れたらまた同じ授業が見れるのは便利でいいけれど、何度か見たら、自分で演習をして行かないと学力が伸びません!
動画を見て理解できたのであれば、その後のためには読んで理解できるようにする準備があった方がよい。
学校の授業であれば、それが教科書でありノートです。
その点もネットのサービスには利点があります。
インターネットの動画授業には、大抵ノートに相当するものをプリンターで印刷できるようになっていたり、市販の問題集とタイアップされていたりするものがあります。
動画の授業に集中してもらうために、準備されているものです。
授業を受けながらノートに板書を写さなくてよいので、授業に集中できて内容の理解に集中できるように用意されています。
それを復習に用いれば、動画で受けた内容をしっかり確かめられます。
確かに、こういう配慮もネット授業の利点ですが、それで足りると思わせてしまえば、学習不足に陥る生徒が出ます。
気を付けるべきことです。
つまり、対面指導をしていれば、生徒の反応を見て学習の進み具合は感じられるので、自習のアドバイスをすることができます。
この点は一斉授業が無理ではないけれど苦手とする点です。
結局ネットの授業の苦手とする点でもあります。
メールとかでコミュニケーションをとれますが、先生が生徒を情報として知るというのとは少し違うのです。
結局、ネットの授業は有用であることは確かだとは思います。
しかし、個別指導の代わりとまではいかないでしょう。
ましてや完全個別指導とまではなりません。
それはあくまでも使い方が問題になるものであって、便利な教材の代わりぐらいのものと思います。
教科書や解説書などの教材を「読んで理解が進められる」方がもっと上策だからです。
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